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中林香が贈る女性のための心と体と車のブログ

元・女性レーシングドライバーの中林 香(なかばやし かおる)が、クルマの運転はもちろん、元スポーツ選手としての経験と、大学で心理学を専攻して得た知識をもとに、よくある心の問題やちょっとした体の不調との向き合い方、ストレスの対処法など、ココロとカラダに優しい生活をおくるための知恵やテクニックをご紹介します。

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アクセルから足を離すと勝手にニュートラル?
DIARY

アクセルから足を離すと勝手にニュートラル?

今朝のYahooニュースのトップにあった記事「ガソリン高騰の中 燃費向上へ“特効薬” AT車レバー 切り替え装置」
にはちょっとびっくりしました。なんでも、アクセルから足を離すと勝手にニュートラルモードに切り替える装置(取り付け代込みで11万8千円)だそうで、燃費向上を狙ったものだとか・・・。
でも、これってわたしにはちょっと危険なように思えるんですが、どうなのかなぁ~?
ニュートラルの状態って、簡単に言えば、クルマのタイヤに何の力も伝わっていない状態なんですよね。走行中にニュートラル状態になるという事は、つまりある程度のスピードが出ていてタイヤが回転している状態から、いきなりタイヤをエンジンと切り離して「放置する」って言えば良いんでしょうか?当然ですがエンジンブレーキも利かず、タイヤはそのまま空走し続けます。
たしかに、ガソリンは燃焼されないので、燃費は多少良くなるとは思いますが・・・。
でも、ニュートラルの状態で、他の方向から何かの力が加わった場合は、(たとえば他のクルマからぶつけられたとか、何かに衝突したとか)、駆動力も制御力も与えられていない状態のクルマだと、そのままどこに吹っ飛んでいってしまうかわかりません。
レースでは、スタートして走り出してからクルマをニュートラル状態にすることは全くありません。
シフトチェンジの時もニュートラルで空走するロスを無くすため、クラッチを切らずにシフトチェンジします(速度とエンジン回転数とギアが完全に合っていれば、クラッチを切らなくてもシフトチェンジができます)。
これは、ニュートラル状態だと遅くなるから・・・というだけではなく、クルマが不安定になるのを避けるためでもあります。ニュートラルの状態で他のクルマと接触すると、本当に簡単にコースの外へ吹っ飛んで行ってしまいますから・・・。
ですから、わたしは運転の基本は(レースに限らずですが)、クルマが動いているうちは、とにかく何かしらの力をタイヤに伝え続けて、クルマの動きをコントロールすることだと思っています。勝手に回転しているタイヤの上に乗っかっているなんて、いくら燃費が向上すると言われても、ちょっと怖くてわたしにはできません。
この機械を付けて、果たして本当に安全に運転ができるのか・・・、機械の誤作動はないのか、この方法でどの程度のリスクがあり、どの程度のメリットがあるのか、その辺りをもっとキチンと検証するべきじゃないかと思います。
それにしても、このような機械が発売されてニュースになるほど、ガソリン代の高騰がわたしたち庶民にとって大問題になっているという事なんですね。
わたしは早くガソリン以外の燃料で走るクルマが一般的になれば良いなぁと思っていますが、まだまだ先のことなのでしょうか・・・。