現役のスポーツ選手を引退した後、体調不良に悩まされていたわたしは本当にさまざまな「治療法」というものに手を出しました。
スポーツマッサージ、理学療法、整体、按摩、鍼灸、ヒーリング系治療全般食事療法、絶食療法、マクロビオテック、漢方薬、アロマやレメディなどなど・・・・でも、どれも少しは効果があっても、ずっと通い続けたり、長期間継続していかなければならなくて、なんとなく納得ができませんでした。
それって、ある意味依存ですよね。その治療がなければ元気でいられないなんて、いつまでたっても本当の健康体とは言えないのではないかと・・・。
たとえば、体に歪みがあって何かしらの症状が出ている場合、整体などの物理的治療で矯正しても、すぐに元に戻ってしまうので、延々と治療し続けなければなりません。
鍼灸やマッサージは、ツボなどに刺激を与えることによって、対処療法的に痛みを軽減するだけのような気がしていました。
漢方薬、アロマ、レメディなどは、自然界の物質だから安全と言いますが、カラダに化学的な作用を及ぼしているという意味では、西洋医学の薬と結局は同じことではないかと思いました。
食事療法、マクロビオテック、絶食療法などは、楽しんで続けられれば良いとは思いますが、あまりにも厳格に食べ物に神経を尖らしていると、それがまた精神的に負担になってしまい、本末転倒のような気がしました。
また、わたしは2週間の長期絶食を2度やったことがあるのですが、絶食中にものすごい幸福感と、何でもできてしまうような全能感を味わってしまって、これはちょっと危ないなと思いました。絶食を始めて数日たつ頃から、脳内で自家製の麻薬物質が分泌されるのだそうです。
それ以外にも、サプリメントや健康食品の類も散々試しましたが、納得のいくようなものには結局出会えませんでした。
でも今は、体中の痛みが無くなっていて、数年前よりもずっとずっと元気です。
20代前半から長年悩まされていた首と肩の痛みや腰痛も、今はすっかり無くなっています。
どの治療法もダメだったのに、どうしてそんなに調子が良くなったのか言いますと・・・2年ちょっと前に、今通っている大学に入ってから、学校が終わった後、家まで歩いて帰っているだけなんです。(少し早足で歩いて、およそ1時間くらいの道のりです)ただし、ただダラダラと歩けば良いというわけでは無さそうで、歩いている間ずっと、どこの筋肉と骨を使っているのかをキチンと意識し、背筋を伸ばして良い姿勢を保ちながら、全身を使って上手に歩くことがポイントのようです。
そして、普段の生活の中での深い腹式呼吸もとても効果があるように思います。
呼吸をするとき、息を全部きれいに吐き切ることができないと、カラダが必要としている分量の酸素を、呼気で吸い込むことができないのだそうです。
そうなれば、わたしたちのカラダはずっと酸素不足で、脳にも、どの臓器や筋肉にも負担を掛け続けることになってしまいます。
本当に基本的なことですが、生きているということは、息をしているということですしカラダを動かすからお腹が空いて、夜には良く眠ることができるように思います。
やらなければいけない基本的なことがいい加減なまま、薬や治療やヒーリングに頼って、その場限りの気持ち良さに甘えていながら、健康になりたいだなんて、今から考えてみれば、自分のカラダにかえって申し訳ないことをしてしまっていたんだなぁと、いまさらですが少々反省しています。
体調が悪くなると言うことは、わたしのカラダの使い方の何かが間違っているという、カラダからのメッセージだったんだと思います。その間違いに気付いて、それを正そうと努力することでしか、本当の健康は得られないように思います。
とてもとてもシンプルな方法ですが、実践してみて、その効果は絶大でした。
体調不良に悩んでいる方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
健康に生きていくために必要なことは、巷に溢れる健康情報に踊らされることなく、キチンと自分のカラダの声を聞いて、それに答えることだと思います。