Auto-Groove

中林香が贈る女性のための心と体と車のブログ

元・女性レーシングドライバーの中林 香(なかばやし かおる)が、クルマの運転はもちろん、元スポーツ選手としての経験と、大学で心理学を専攻して得た知識をもとに、よくある心の問題やちょっとした体の不調との向き合い方、ストレスの対処法など、ココロとカラダに優しい生活をおくるための知恵やテクニックをご紹介します。

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試乗レポートの役立て方
クルマの話, センスUPクルマ術

試乗レポートの役立て方

クルマを購入しようとした時に、クルマ雑誌やネット上に掲載されている『試乗レポート』を参考にする方も多いと思います。
たくさんのクルマを乗り比べているプロの意見なわけですから、それだけで説得力がありますよね。
けれど、わたしはあえて「試乗レポートの全てを丸ごと鵜呑みにはしないでください。」と言わせていただきたいんです。

また、最近ではネットの普及のおかげでTVや新聞や雑誌などの情報だけではなく、もっと多岐にわたった色んな情報が簡単に手に入るようになってきています。
ユーザーの口コミ情報なども掲示板やブログにたくさん載っていますから、家にいながらにしてものすごい量の情報を収集することだって可能です。
その場合でもやっぱりそのまま信じ込むのではなくて、「そういう感じ方の人もいるんだな~。」くらいに受け止めておいた方が良いと思います。
『クルマの選び方(実践編)』でも書きましたが、感性や感覚というのは100人いたら100通りのものなんですね。
誰かが感じたことがそのまま自分に当てはまるということはほとんどないと言ってもいいと思います。
たとえば、有名な料理研究家が絶賛したレストランだからといって、わたしが食べて同じように「美味しい!」と感じるかどうかはわかりません。
映画評論家が最高に面白いと太鼓判を押した映画であっても、わたしが観てどう感じるかはわたしが観てみなければ判らないわけです。
「専門家が言うことは間違いないだろう。
そう感じないのは自分がよくわかっていないからに違いない。」「たくさんの人がそう言っているんだから、きっとそれが正しいはず。」

そういう風に思ってしまうと、自分の感性や感覚を押さえつけてしまうことになります。
『裸の王様』というお話がありますよね。
王様が裸だと大声で叫んだのは、自分の目に見えたものを素直に表現できた小さな男の子だけでした。
あの男の子だけが、自分の感覚に対して確信を持てていたわけです。
あなたにとっては、あなた自身の感性や感覚こそがあなたにとって1番大切なものなんです。
外から入ってくる情報は、あなたの人生に対して完全に責任を負ってくれるわけではありません。
ピキピキ動く、加速が良い、視界が広い、車線変更がスムーズ・・・・などなど、クルマのフィーリングを伝える表現はいろいろありますが、あなたが実際にそう感じるかどうかは誰にもわからないことなんです。
そのインプレッションはあくまでそれを書いた人のもの。
その人が乗ったらそう感じたという事に過ぎないんです。
「それじゃ~結局は誰の意見も参考に出来ないじゃない!」という話になってしまいそうですが、そういうわけではないんですよ。
たとえば、試乗レポートの中に含まれているデーターの類、クルマのサイズや排気量、価格などは当然参考にできる資料ですし、そのクルマの特徴をうまく使いこなす利用法について書かれていたりすれば、そういう部分はどんどん参考にして真似てみると良いと思います。
モータージャーナリストやクルマの記事を書くライターさんには、メーカーがどういうコンセプトで作ったクルマなのかを熟知しているプロならではの視点というのがありますから、そのクルマ独特の新しい使いこなし方のヒントが得られるかもしれません。
そういう情報をうまく取り入れて、クルマを自由にあなたらしく楽しんでくださいね。