さて、前回お話したように自分の愛車に名前をつけてあげてクルマとの友好な関係を築く基礎ができたら、実際にクルマに乗り込むその前に、あなた自身のセンスUPを図りましょう。
まずはなるべく良い状態で運転できるようにカラダとココロをチューニングします。いってみればラジオを放送局の周波数に合わせるような感じかな。普段の生活から運転仕様へと意識を持っていくわけです。
運転前に疲れやカラダのこわばりがあるようでしたら、軽くカラダを伸ばしたり、ちょっとストレッチ風な動きをして(簡単な動きでOK)おきましょう。これだけでも運転する時に緊張しやすい人にはとても有効なんですよ。カラダがガチガチに硬い状態では、スムーズな運転はできませんから。
人間の条件反射のスピードは、プロスポーツ選手であろうが一般の人だろうが、大差はありません。では、何が違うのかといえば、脳で処理した情報を行動に移す場合の、動作の的確性なんです。ハンドルを切るにしても、ブレーキやアクセルを踏むにしても、カラダが緊張している状態では的確な分量で動かすことが出来ないんですね。だからクルマの動きがギクシャクしてしまったり、思った以上に動いてしまって慌ててしまったり・・・といったことが起こってしまうんです。
カラダをちょっとでも柔軟に、リラックスした状態にしてから運転することで、動作が自然な動きになりやすいわけです。
もちろん『運転が怖い』と感じている人にとっては、これだけで緊張を取り除けるわけじゃありませんが、最初からこわばったカラダで更に緊張するよりは、絶対に運転がしやすくなるはず。
さらに運転し終わった後のカラダの疲れ具合も全然違いますよ。
そしてもう1つ、とても大切なことは『嫌な気持ちを運転に持ち込まない』ということなんです。
「運転前に誰かと口論になってしまった。」「すごく嫌な話を聞いてしまって落ち込んだ。」「悲しい思いをしたり、誰かに腹を立てている。」こういう状況でそのまま運転すると普段より事故に遭いやすいという統計結果が実際に出ています。
心理的な要素というのは運転にとても影響を与えますし、注意力も低下して普段なら考えられないようなミスを起こしやすくなってしまうんですね。
ですから、なるべく運転前には感情的なトラブルに巻き込まれないようにした方が良いし、ケンカの直後には運転するのを止めておいた方が良いかもしれません。
それでも、嫌な感情を持ったままどうしても運転しなければいけない場合には、自分なりの簡単な気分転換を図ってからにすると良いでしょう。具体的には、好きな音楽や香りなどを活用してみたり、好きな味の食べ物や飲み物をちょっと口にしてみるなど、自分が1番期に入った方法を探してみてください。
最後に、カラダのチューニングにも、ココロのチューニングにも1番効果があって簡単な方法をお教えしておきますね。
それはゆっくりとした深い呼吸、腹式の『深呼吸』なんです。
自分の呼吸に意識を集中させて、ゆっくりと数回大きな呼吸をするだけでも、ココロの落ち着きを取り戻したり、カラダのこわばりを緩めたりすることができます。他の方法と併用できればすごく効果的ですし、時間がない時にはこれだけでもずいぶん違いますよ。
車に乗り込む前のカラダとココロのチューニング、ぜひ試してみてくださいね。